父親と二人、森の中で半分自給自足の生活をしてきた少女オクトーバー。自分たちが「野生」であることに誇りを持ち、巣から落ちたメンフクロウの赤ちゃんを大切に育てていた。が、11歳の誕生日に転機が訪れる。父親が大怪我を負って入院し、「母親とかいうひと」と都会で暮らすことになったのだ。フクロウも保護センターに預けなければならない。都会の暮らしに全力で反抗するオクトーバー。その中で、友だちと呼べる子に出会ったり、ロンドンでも「自然」を感じられるテムズ川に癒されたり、徐々に心がほどけていく。揺れる少女の心理が詩のような文章で繊細につづられる、2022年のカーネギー賞受賞作。
カチャ・ベーレン 作
/ こだまともこ 訳
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著者プロフィール
カチャ・ベーレン
イギリスの作家。大学で英語学を学び、大学院で自閉症児の研究をおこなう。現在は作家として、また障がいをもつアーティストを支援するメインスプリング・アーツの共同代表者として活躍中。デビュー作のThe Space We're Inで、ブランフォード・ボウズ賞最終候補に、2作目の『わたしの名前はオクトーバー』でカーネギー賞を受賞。
こだまともこ
出版社勤務を経て、児童書の創作・翻訳にたずさわる。創作に『3じのおちゃにきてください』、翻訳に『月は、ぼくの友だち』『スモーキー山脈からの手紙』『きみのいた森で』『トラからぬすんだ物語』などがある。
担当編集者より
「母親とかいうひと」としか表現できなかった人を「お母さん」と呼べるようになるラストに涙がこぼれます。秀作です。