K-BOOKフェスティバル参加作品『普通ノウル』
編集ウラ話――でこぼこ道のタンポポ

『ねじまき鳥クロニクル』の笠原メイや、『アーモンド』のドラのように、サブキャラなんだけど、物語のなかでキラッと存在感を放つ人物っていますよね。
本書ではソンハがそれ。主人公・ノウルの一人称ではガサツな感じの子として登場するのだけれど、話が進むにつれて、だんだんとノウルの遠慮のない表現がむしろ何よりの信頼の証だとわかっていきます。

共感できる名言が多いと話題の本書。ソンハの「高速道路」のたとえは最たるものではないでしょうか。「普通の人生」を舗装されて障害物のない「高速道路」にたとえ、でも、その「高速道路」はすでに幻想にすぎないのではないか、「ちょっとでこぼこでもいいから、それぞれの道を作っていくのもひとつの方法だよ」とノウルに話します。

日本語版の扉(写真1枚目)には、その「でこぼこ道」を中田いくみさんに描いていただきました。「ページの奥の方へ伸びるでこぼこ道を描いてください」とお願いしただけだったのに、あがってきた道はタンポポのお花が描き込まれていて、共感と祝福の気持ちに胸が熱くなりました。「じつは四葉のクローバーもあるんですよ」と中田さん。さがしたら。。。ありました! わかりますか?(写真2枚目)。

K-BOOKフェスティバルでは、チェッコリさんのブースに本書もならべていただきます。手に取ってご覧いただけたらうれしいです。

日本語版の本文扉の色校正(見本刷り)
真ん中あたりに四つ葉のクローバー!

 

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