唯一なる神“エル”による天地創造の物語。神々の力がずっと近くにあった時代。
エルフが、人間が、力の指輪がいかにして生まれたか。
不朽の名作、『指輪物語』に先立つ壮大な神話的世界、『シルマリルの物語』の最新版を、エルフ語研究の深化により、固有名詞を全面的に見直した日本語訳の完成形として、お届けします。
「エルは聖なる者たちに語り給い、音楽の主題をかれらに与え給うた。――」音楽から始まる天地創造の物語から、フィンゴルフィンがモルゴスに一騎打ちを挑んだ「ベレリアンドの滅亡とフィンゴルフィンの死のこと」までを収録した上巻です。
J・R・R・トールキン 作
/ クリストファー・トールキン 編
/ 田中明子 訳
- カテゴリ
- YA一般読み物
- シリーズ名
- ISBN
- 9784566023963
- 税込定価
- 1,320 円
- 発売日
- 2023年11月
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著者プロフィール
J・R・R・トールキン
1892~1973年。南アフリカのブルームフォンテンに生まれ、3歳のとき、イギリスに移住。オックスフォード大学卒業。第一次世界大戦に従軍後、1925年からオックスフォード大学教授。中世の英語学と文学を中心に講じた。『指輪物語』は、20世紀最高のファンタジーとされる。これに先立つ物語として『ホビットの冒険』『シルマリルの物語』『ベレンとルーシエン』があるほか、児童向けの作品に『トールキン小品集』『サンタ・クロースからの手紙』などがある。
クリストファー・トールキン
1924年~2020年。J.R.R.トールキンの三男。父より遺言執行者に指名された。1973年の父の死より生涯にわたって、父の残した大量のノートの整理とその出版に尽力した。1977年の『シルマリルの物語』を初めとして、『終わらざりし物語』『中つ国の歴史』『フーリンの子どもたち』『ベレンとルーシェン』『ゴンドリンの陥落』を編集出版した。
田中明子
1926~2020年。現中華人民共和国山東省の青島市に生まれる。第二次世界大戦勃発のころ、同志社女子専門学校英文科にて学ぶ。終戦後、引き揚げ。慶應義塾大学文学部入学。卒業後は、都立新宿高校の定時制で英語を教える。1950年代半ば、瀬田貞二氏に会う。北極星文庫『この湖にボート禁止』を翻訳。60年代初め、モントリオールで2年を過ごし、ヨーロッパ、エジプト、インドを回って帰国。主な作品として、瀬田氏と共訳の『指輪物語』他、『シルマリルの物語』『トーマス・ケンプの幽霊』『砦』『魔の山』他多数。
担当編集者より
トールキンが英語による、イギリスの国土の結び着いた物語がないことを嘆き、祖国に捧げるために生み出した物語です。ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」が舞台とする時代の物語でもあります。神の恩恵と堕落、繁栄と衰退、死への恐れ――。根源的なテーマを含む壮大な神話的世界をぜひ体験してください。